迷作選

 このページでは、戸神の魂(ハート)に響いた名セリフ(迷セリフ?)を基準に作品を選び出し、アニメ、特撮、映画、漫画、小説などを問わず、独断と偏見で自己満足的に紹介していきます。
 なお、このページで興味を持たれた作品が結果的に面白くなくても、当サイトでは責任を負えませんので、予めご了解の上ご利用下さい(笑)。

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No. セリフ
  ジャンル キャラクター名 作品名 セリフの場所
 このページの構成は、主にこの様になります。(随時変更の場合あり。)
 ある程度紹介文がたまったら、下層のページへ待避させていく予定です。

01 「そうかい…、1年戦争で何もかも失くしたと思っていたが、そうかい。こうも身ぐるみ剥ぐかねぇ……。情けないねぇ……。」
  アニメ シーマ・ガラハウ 機動戦士ガンダム0083 CDシネマ2/宇宙の蜉蝣 Chaper.24 玲瓏
時代に翻弄され、数奇な運命を辿った悲劇のヒロイン…。

 戸神は知る人ぞ知るガンダムファンで、しかも連邦派である。しかし、ガンダムシリーズで一番好きなキャラは?と問われれば、間伐を入れずにジオン軍中佐であるシーマ様の名を挙げるだろう。なぜか?

 ガンダム0083は、ファースト・ガンダムとZガンダムのミッシングリンクを明かす物語として、OVAで展開された作品である。連邦軍の若きパイロット、コウ・ウラキを主人公に、その好敵手となるアナベル・ガトー、そして二人の間で揺れるヒロイン、ニナ・パープルトンを軸として、ジオン公国の再興を目論む残党デラーズ・フリートと地球連邦軍の戦いを描いている。あくまでも表向きは…。そう。主題歌が物語るように、この戦いで多くの犠牲者はあっても、勝利者はいないのである。全ては政治的策謀に利用されたという結末で、悲劇的な幕を閉じる。その中で、策謀のために暗躍するのが、このシーマ中佐なのである。

 本CDシネマはOVA完結後にリリースされ、そのシーマ中佐を主人公として描いている。ガンダム0083に登場する脇役の面々はキャラクターのバックボーンがしっかりおり、主役としても十分通用する人物ばかりなのである。蛇足ではあるが、先頃新作として発表されたGUNDAM EVOLVE 4でもまた一つ秘話が明かされ、脇役が克明に描き上げられた。
 話をCDシネマに戻そう。一般にガンダム0083はア・バオア・クー陥落から描かれた物語であると思われがちだが、これは誤りである。本作では、ジオン軍のソーラ・レイ発射のシーンから物語はスタートする。このソーラ・レイ、そしてその責任者であるアサクラ大佐により、シーマ中佐の運命は大きく揺れ動くのである。OVAとは異なり主人公がシーマ中佐であるため、シーンやセリフの殆どが補完されていて、全体を通してOVAとは異なる印象を受ける。戸神が今回選んだ名セリフも、OVAには存在しない。そう言ったセリフの一つ一つにシーマ中佐の内面や本質を描き出すものが多く、このCDを聞き終わった後には、すっかりシーマ中佐のファンになっていたという訳なのだ。

 ファースト・ガンダムの舞台である1年戦争の最中、シーマ中佐の艦隊は汚い役割ばかりを担わされていた。中でも1週間戦争と呼ばれる戦いで、無抵抗のスペース・コロニーに毒ガスを注入して大量虐殺を行った特殊任務は耐えられるものではなく、シーマ中佐はその後悪夢に魘され続けるる事となる。そしてジオン公国軍が敗退しアクシズへ脱出するという段になって、軍律を逸脱しすぎた事を理由に上官であるアサクラ大佐に合流を拒まれる。「逸脱!?我々の特殊任務は、全て本国からの命令で!!」シーマ中佐の悲痛な叫びが響く。しかし、アサクラ大佐の一言でそれは一蹴されてしまう。やむなく故郷のコロニー「マハル」へと向かい離脱するシーマ艦隊。だが、既に故郷はあのソーラ・レイに転用され、そこにはなかったのである。
 そして、流浪の艦隊となって4年…。ジオン残党軍デラーズ・フリートに合流したシーマ艦隊は、連邦軍の独裁主義者と内通して叛逆の機会を伺い、まさに星の屑作戦成就が目前となったとき裏切り行為に出るのである。しかし、主義を貫こうとするデラーズとガトーの行動により思惑は外れ、副官を失った上に作戦は失敗に終わる。この混乱により、戦場は既に敵味方の識別を失っていた。自らの艦に敗走するシーマ中佐であったが、その自艦の長を導こうとしたガイド・ビーコンが仇となり、ガンダム3号機の砲撃によって、最後の故郷・戦艦リリー・マルレーンは宇宙の藻屑と消えてしまう。そのときのセリフが今回選んだセリフである。

 戸神ごときの文章で良さが伝わったのか不安であるが、ガンダム0083をOVAでしか体験した事がない方には、ぜひこのCDを聞いて欲しいと思う。CDの解説書にもあったが、OVAの段階でシーマ中佐に対する視聴者の評価は両極端だそうである。しかしこのCDを聞けば、好きにはならなくても、シーマ中佐の行動原理は理解できるはずだ。そうすればきっと、シーマ中佐に対する考え方が少しは変わるだろう。
 また、ガンダム0083は見た事がないと言う方も、機会があれば聞いて欲しい。おちゃらけが全くないストーリーもののCDで、これだけ聞けるものはそう多くないだろう。OVA13話分の軸の部分は全て盛り込まれているので、ストーリーを理解するにも充分だと思う。実際の所、戸神は最初にこのCDを聞いたときに一気に聞ききってしまい、あまりの感動と興奮に2回も聞き直してしまった程なのだ。
 なお蛇足ではあるが、ガンダム0083をOVAでしか見た事がない方には、ぜひ劇場版の視聴をお薦めしたい。ラスト近くにOVAにはないシーンがあり、それによってコウとニナの結末がOVA版とは全く異なった印象となっているからである。この辺りも機会があったら書いてみたいと思う。
 

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